栃木県足利の日本代表するワイナリー。とはいえ栽培している葡萄品種もワインスタイルも、マイナー品種ばかりでマニアック。尖っていてかっこ良い。それでいてカジュアルラインから高級レンジまで幅広くアイテムをリリースされています。
ココファームとの思い出は語り尽くせないほどあるのですが、僕は勝手にココファーム友人だと思っているので、その友人の一人から聞いたエピソードの中から一つをこの場でご紹介。
ココファームはアメリカのオレゴン出身のワインコンサルタント〝ブルース・ガット・ラヴ〟氏を足利に招き入れ、世界に通用するワイン造りを目指しました。ブルース氏は足利の気候条件に向く葡萄品種の植樹、栽培方法、人材教育(この時、ブルース氏のもとでワイン造りを学んだ何人もの作り手達は、今では手に入りづらくなるほど人気生産者となり活躍されています。)を経て現在では北海道空知の岩見沢で受託醸造所を運営。
葡萄農家に醸造所をシェアする形で今も日本ワイン生産者を育て影響を与え続けている。彼が日本に来ていなかったとしたら、今の日本ワインを取り巻く環境は全く違っていたかもしれない。
そのブルース氏が日本に来て最初に勤めてココファームワイナリーは、〝こころみ学園〟という障害者支援施設が運営しており、ワイン造りは障害者の方の大切な仕事となている。
葡萄の木の選定から畑の雑草の処理、仕込みの時には瓶詰めからラベル貼りまで、自閉症の方が大活躍。
そんな環境がまだ整っていない、まだカオスな状態のココファームワイナリーに赴任したブルース氏。
障害者の方たちとチームになり、ワイン造りを行い、共に生活する。いくら有能なワインメーカーと言えども、分野外の想定外の事で躊躇いや不満は無かったのか。。
ブルース氏はこう話したそうです。「来日したばかりで日本語がわからなかった僕も、障害者だったのさ。彼らも(園生)もうまく日本語を話せない。つまり、言葉が通じ合わない障害者同士だから通じ合えた。僕も彼らも同じさ。」
日本ワインをここまでの状況に押し上げてくれのは、こころみ学園の園生の方々のお陰では無いか。。
このエピソードを聞いてそう確信しています。